FAQ
よくあるご質問
これまでお客様から多く寄せられたご質問と、その回答をまとめました。香り選びや使い方のヒントとして、ご参考になさってください。
アロマテラピーの基本
- アロマテラピーとは何ですか?
アロマテラピーは、芳香植物から抽出された揮発性の香り成分(精油)を暮らしに取り入れ、香りを楽しみながら心地よい時間や空間づくりに役立てる自然の知恵です。精油の香りは嗅覚を通じて脳に届き、気分や印象に影響を与えることがあります。また、香りの分子が空気中に広がることで、空間に爽やかな雰囲気をもたらします。スキンケアやマッサージオイルなどに希釈して用いることで、心地よい香りとともに肌になじませることもできます。
- エッセンシャルオイルとアロマオイルの違いは?
エッセンシャルオイルは、植物から水蒸気蒸留または圧搾などの方法で得られる、100%天然の揮発性オイルです。植物種・産地・収穫時期・抽出方法などによって香りや成分構成が異なります。一方、「アロマオイル」という呼び方には明確な規格がなく、香料や希釈・加工オイルなども含まれるため、香りを楽しむ目的で使う場合は、成分表示やロット毎の分析データの確認が安心につながります。
- エッセンシャルオイルはどうやって抽出されますか?
主な方法は水蒸気蒸留法(花、葉、木部など)と圧搾法(柑橘果皮)です。水蒸気蒸留では、植物に蒸気を通して香り成分を揮発させ、冷却して分離します。圧搾法では果皮の香り成分を含む細胞を機械的に潰し、精油と果汁・水分を分けます。
- エッセンシャルオイルの選び方は?
品質の確認には、植物学名(学名・属名+種小名)、産地、抽出部位、生育条件、主要成分と含有率、ロット番号、GC/MS分析結果の有無などが参考になります。こうした情報は、香りの個性や特徴を理解するうえで役立ちます。
- アロマテラピーに使える精油は何種類ありますか?
世界的には200種以上の精油が流通していますが、日常的に使いやすいのは30〜40種ほどです。さらに目的や好みに合わせれば、5〜10種程度でも多彩なブレンドや香りのアレンジを楽しめます。香りの好みだけでなく、精油ごとの特徴や香りの傾向を知ることで、より安心で心地よいアロマ体験が広がります。
保管と品質
- 精油はどのくらい持ちますか?
保管状態によって左右されますが、柑橘系は約半年~1年、その他は約2〜3年が目安です。開封後はできるだけ早めに使い切りましょう。
- 精油の保管方法は?
直射日光や高温多湿を避け、しっかりと蓋を閉めて冷暗所に保管します。遮光瓶入りのものが理想です。
- 分析表とは何ですか?
精油の「植物学名」、「原料植物の産地」、「原料植物の生育条件(野生、オーガニック栽培など)」、「原料植物の生育段階および抽出部位」、「特性成分(精油の特性を形成する成分とその含有率(%)の表示)」、「ロット番号」、「ロット毎のGC/MS(ガスクロマトグラフと質量分析計の結合)」などが記載された精油の身分証明書です。品質確認や安全性評価のために重要な情報源です。
GC/MS分析の結果からは、- 主成分の種類と含有率
- 産地や収穫時期による成分の違い
- 混入や偽和(別種精油の混合、特定成分の添加など)の有無
- 有機溶剤などの不純物検出
などを確認できます。
従来の品質試験(比重、旋光度、屈折率など)では判別できない不正や微細な違いも、GC/MS分析によって客観的に評価することができます。- オーガニック栽培のエッセンシャルオイルは、高品質ですか?
必ずしもそうとは限りません。オーガニック栽培は原料植物の栽培方法を示すものであり、蒸留後の精油の品質を保証するものではありません。
精油の品質を左右する決定的な要因は「蒸留」という製造工程です。どのような蒸留方法を用い、どれほど熟練した技術で行われるかによって、香りや成分のバランスが大きく変わります。
ただし、オーガニック栽培自体には意味があり、農薬や化学肥料を使わないことで環境や土壌への負担を軽減し、植物の健全な生育を促します。- 古くなった精油はどうすればいいですか?
肌に塗ったり、芳香浴には使わず、掃除や消臭などの目的で活用できます。
- 保管方法は?
使用後はキャップをしっかり閉め、冷暗所(常温)で保管してください。子供や認知症の方の手の届かない場所に置き、ドロッパー部分に手指が直接触れないようにしましょう。
- 火気の近くで使ってもいいですか?
いいえ。精油は引火性があるため、火気厳禁です。タバコを吸いながらの使用や、精油が付着した布類を乾燥機にかけることも避けてください。火災の原因になることがあります。
製品活用のヒント
- 精油を加湿器に入れて使用してもいいですか?
精油が加湿器の樹脂部品を劣化させることがあります。精油対応型のディフューザーや加湿器を選び、取扱説明書に従って使用してください。
- 芳香浴にはどんなディフューザーがいいですか?
精油を水に混ぜずに拡散する「ネブライザー式」や「ファン式」のディフューザーがおすすめです。水を使うタイプでは、精油が水面に浮いたまま長時間空気に触れることで、香りが変化することがあります。特にラベンダーなど一部の精油は、湿気と時間の影響で香りの印象が弱まったり、違う香りに感じられる場合があります。水を使わないタイプは、精油本来の香りを楽しみたいときに向いています。
- ブレンドのコツはありますか?
揮発速度の異なるトップノート(柑橘系)、ミドルノート(ハーブ・フローラル系)、ベースノート(樹脂・ウッディ系)を組み合わせると香りが持続しやすくなります。成分の化学分類(モノテルペン、エステルなど)も考慮すると作用傾向の予測がしやすくなります。
- 精油を料理に使えますか?
食品添加物の規格を満たした精油のみ使用可能です。料理や製菓に使う場合は、ごく少量(例えば、楊枝の先につけたローリエやローズマリー・ベルべノン精油を大さじ1杯のオリーブオイルに浸す程度。レモン精油のみもう少し量を多めに使用することができます)を用います。精油は香りが濃縮されているので、入れすぎに注意してください。
一般的なアロマテラピー用精油は飲用・食用を想定していないため、食品への添加は避けます。- 入浴に使う場合の注意は?
精油は水に溶けないため、専用の乳化剤に混ぜてから浴槽に入れます。直接湯に滴下すると皮膚刺激の原因になります。
精油を使うとき
- 柑橘系の精油は皮膚に塗っても大丈夫ですか?
レモンCitrus × limonやスイートオレンジCitrus × sinensisなど、モノテルペン類(例:リモネン)を多く含む精油は皮膚刺激を起こす可能性があります。皮膚塗布は避けてください。
- 皮膚刺激のリスクがある精油にはどんなものがありますか?
モノテルペン類が多いシベリアモミAbies sibiricaや、シトラール(アルデヒド類)を多く含むレモングラスCymbopogon citratusなどは皮膚刺激を起こすことがあります。使用する場合は必ず植物油で希釈し、ブレンド全体の精油濃度を0.5%以下にしてください。
また、ペパーミントMentha × piperitaやスペアミントMentha spicataの刺激にも注意してください。皮膚塗布した場合に、清涼感を痛みとして感じる場合もあります。局所使用を除いて、植物油で希釈して使用してください。- 光毒性のある精油はありますか?
はい。ベルガプテン(5-methoxypsoralen)などのフロクマリン類を含む精油は、直射日光に当たるとシミや皮膚トラブルの原因になります。皮膚塗布は避けてください。
例:ベルガモットCitrus × bergamia、レモンCitrus × limon、グレープフルーツCitrus × paradisi- 精油を皮膚に塗る場合、使用前にパッチテストは必要ですか?
はい。化粧品と同様、必ずパッチテスト(腕の内側に使用する精油またはブレンドオイルを塗り、24時間様子を見る)を行ってください。万一肌に合わない場合は、水ではなく植物油(食用油も可)をたっぷり塗って拭き取り、その後も異常が続く場合は医師の診察を受けてください。
皮膚塗布に適さない精油は皮膚には塗らないでください。- 精油が目や粘膜についた場合はどうすればいいですか?
水ではなく植物油(食用油も可)で洗い流すか、ティッシュやガーゼに植物油を含ませてやさしく拭き取ってください。その後、異常がある場合は医師の診察を受けてください。
- 精油は水で薄めて使えますか?
できません。精油は水に溶けません。希釈には植物油などの親油性基材を使用してください。また、精油は水分に触れると劣化します。
- 子供や妊婦も使えますか?
7歳以下の子供、妊娠中・授乳中の方は、基礎疾患や特異体質のある方、病気療養中の方、てんかんやけいれんの既往歴がある方は、必ず主治医にご相談のうえ使用してください。
- ペットのいる部屋で精油を使ってもいいですか?
動物の種類や体質によっては精油成分が負担になる場合があります。換気を行い、ペットの様子に注意してください。
犬、馬に対しては、精油を使ったケアが行われていますが、猫やフェレット等には使用しないでください(精油に対して代謝機能がないため)。